- 子供が産まれたら育休を取得したい!
- 毎日の子供の成長をそばで見守っていきたい
- 今の職場で子育てと仕事の両立ってできるのかな?
近頃は男性でも育休を取得しやすい世の中となってきました。
しかし、我々PTが働くリハビリ部門では、男性の育休取得はまだまだ一般的ではありません。
- スタッフの少ない職場
- 上司の理解が得られない
- 育休を取った先輩がいない
一方で、しっかりと男性PTが育休を取れる病院・施設は確実に増えています。
筆者は約4か月間の育休を取得して、妻や子供とじっくり向き合う時間を確保できました。
そんな筆者の実体験を元に、男性PTが育休取得をするためのロードマップを解説します。

筆者が4か月の育休を取得した体験談はこちらの記事で紹介しています


臨床と子育てを両立できる理想的なパパPTを目指しましょう。
仕事と育児を両立するために知りたい制度一覧


仕事と子育てを両立させたい男性PTが知っておくべき子育て制度はこちらになります。
これらの制度は『職場独自の福利厚生』ではなく『育児・介護休業法で定められた権利』です。
正しい制度を理解して、これからの理想的な子育てを実現しましょう。
育児休業制度
一般的に育休と呼ばれるのが育児休業制度です。
- 原則で子供が1歳になるまで取得可能
- 取得するには1か月前までの申請が必要
- 期間内であれば2回に分割して取得も可能
- 保活失敗などの条件で最長2歳まで延長が可能
子供が産まれた後に1か月以上の休みを取得する場合には、育休の利用が必要となります。



筆者が4ヶ月の育休を取得した時も育児休業制度を利用しました
育休中の収入の解説はこちらをタップ
育休中は『休業』となるため職場からは給料が支払われません。
しかし、育休中は収入が無くなる代わりに、育児休業給付金(育休手当)が雇用保険から支給されます。
育休の開始日からの日数によって、育休手当の支給額は以下の通りです。
育休開始〜6ヶ月まで | 7か月目〜1歳の誕生日の前々日(※) | |
---|---|---|
賃金に占める割合 | 67% | 50% |
手取りに占める割合 | 83% | 62% |



ありがたい制度ですが支給時期には注意してください
育休手当の初回支給は手続きに時間を要するため、育休開始日から約2〜3か月後になります。
そのため、育休開始からしばらくの間は、貯蓄を切り崩さなくてはいけません。
育休開始までに出産費用や数カ月分の生活費など、ある程度の貯蓄を準備しておきましょう。
育休の取得の注意点として、原則1か月前までの申請が必要です。
もし予定日よりも出産が早まったり遅れたりした場合には、職場との相談次第で育休開始日を変更できます。
▶育休制度の詳細はこちらの記事で解説します(未作成)
産後パパ育休
産後パパ育休は正式には出生時育児休業と言います。
- 2回に分けて合計4週間まで取得可能
- 子供の誕生から8週間以内に取得可能
- 原則として休業の2週間前までに申請が必要
産後パパ育休と育児休業制度はよく似た名前ですが、以下のような違いがあります。
育児休業制度 (育休) | 出生時育児休業 (産後パパ育休) | |
---|---|---|
期間 | 原則1歳まで取得できる (最長2歳まで) | 出生後8週間以内に4週間まで取得できる |
申請 | 原則1か月前までに申請 | 原則2週間前までに申請 |
分割 | 分割して2回取得できる (それぞれ申請) | 分割して2回取得できる (まとめて申請が必要) |
延長 | 1歳以降も延長できる(※) | 延長できない |
産後パパ育休は育児休業制度よりも取得できる期間が短いのが特徴です。
奥さんの退院時や里帰りから戻るタイミングなどで取得しましょう。
また、予定日よりも実際の出産日がずれる場合には、育児休業制度と同様に取得開始日を変更することができます。
子の看護休暇
子供が産まれた後の就業中に、子供の事情に合わせて取得できる休暇制度が子の看護休暇です。
- 小学校就学前までの子供が対象
- 1時間単位で分割して取得が可能
- 子供が1人であれば年5日まで取得可能



子供が2人以上なら年10日まで取得できます
令和7年4月1日からの制度改正について
子の看護休暇は令和7年4月1日から、以下のように変更されます。
内容 | 変更前 | 変更後 |
---|---|---|
名称 | 子の看護休暇 | 子の看護等休暇 |
対象となる子供の年齢 | 未就学児のみ | 小学校3年生まで |
取得する理由 | 病気・けが 予防接種・健康診断 | 病気・けが 予防接種・健康診断 感染症に伴う学級閉鎖など 入園式・卒園式 |
除外される労働者 | 週の所定労働日数が2日以下 継続雇用期間6か月未満 | 週の所定労働日数が2日以下 |
これまでに比べて、さらに手厚く・取得しやすい制度となります。
子育てに関わる突然の休暇であっても、有給を消化せずに対処できる便利な制度です。
子の看護休暇は職場によって有給or無給が自由に決められます。
あなたの職場の総務・事務で、子の看護休暇の詳細について問い合わせましょう。
時短勤務制度
保育園の送迎などでフルタイムの勤務が難しい場合は時短勤務制度が活用できます。
- 原則で1日6時間の勤務が可能
- 3歳未満の子供がいる場合が対象
- 給与は減額されるが有給は使える
子育て中のママさんが、時短勤務制度を利用しているイメージが多いかもしれません。



もちろん男性PTも時短勤務制度が利用できます
これらの制度をどのように利用するかは、夫婦や上司と話し合いながら決めていきましょう。
男性PTの子育てに理解がある職場の見分け方


男性PTが子育てを支援する制度を有効活用するには、職場のサポートが欠かせません。
では、今の職場が男性PTの子育て参加に協力的かどうか、チェックすべきポイントを紹介します。
簡単には判断しづらいポイントもありますが、じっくりと職場の雰囲気を確かめていきましょう。
男性育休の取得実績
職場の子育てに対するサポート体制は、過去に育休を取得した男性PTがいるか?で判断できます。
近年は男性育休を取得する人が増えており、2023年は過去最高の30.1%となっています。
出典:令和5年度雇用均等基本調査
しかし、我々PTが所属しているリハビリ部門では、男性の育休取得の実績は決して高くありません。
一方で、男性PTの育休取得を推進している病院や施設も増えてきています。
まずは職場の先輩パパに、育休や育児に関わる制度について相談してみましょう。
勤務体制の柔軟性
男性PTが育休を取得するには、部署内のサポート体制が整備されている必要があります。
- 有給など休暇の取りやすさ
- チーム制など引継ぎの簡便さ
- これまでの時短勤務職員の有無
上記を満たす職場では、普段から休暇取得や急な休みに対するサポート体制が整っているでしょう。
育休を取得した場合の人員減少に対しても、十分なサポートが期待できます。
上司や同僚の意識
男性PTが育休などの制度を利用するには、上司や同僚の子育てに対する理解が不可欠です。
しかし、子育てへの理解が乏しい職場では、育休を取得するまでに手間と時間がかかるでしょう。



ひどい職場ならハラスメントや昇進に悪影響となる可能性も…
奥さんの妊娠が分かってから、上司といきなり育休取得の相談をするのは大変かもしれません。
普段から上司や同僚の子育てに対する意識を探っておくのは、非常に重要となります。
もし今の職場が男性PTの育児参加にネガティブな雰囲気ならば、働きやすい職場への転職を検討してみましょう。
▶PTの転職におすすめなのはPTOTSTワーカー(未作成)
家庭事情への理解
職員の家庭事情について理解のある職場や上司なら、スムーズに育休取得の相談ができるしょう。
筆者は育休を取得するまでに、上司と以下のような話題でコミュニケーションを取っていました。
- 実家との距離感
- 奥さんの健康状態
- 普段の休日の過ごし方



当時の上司は各スタッフに慕われる人柄だったので、安心して育休取得の相談ができました
男性PTが育休を取るための3ステップ


もし奥さんの妊娠が判明して、育休取得について準備をする場合は、以下の手順で進めてください。
備えあれば憂いなし!着実に準備をしていきましょう。
家族と話し合い
出産前後の過ごし方や子供の子育て方針など、普段から奥さんと話し合ってください。
また、夫婦揃っての育休取得では一時的に収入が減少します。
- 実家への里帰り
- 奥さんの仕事復帰
- 子供の保育園の確保
上記の他にも、出産や子育てについては考えることが無数にあります。
その中で、男性育休をどれくらいの期間・時期に取得するのか、家族間で意見をまとめておきましょう。
職場への申請手順
実際に育休の取得を決めたら、まずは職場の上司へ報告してください。
奥さんの妊娠の報告とともに、育休取得を検討している気持ちを率直に伝えましょう。
具体的な育休の期間や時期については、何度か話し合いの機会を持つのがおすすめです。
上司から了承が得られた後は、総務・事務の担当者へ報告してください。
- 育休取得に関わる書類
- 子供の扶養に関わる書類
- 母子手帳など必要書類の提出
上記の手続きを行う必要があるため、育休取得の1.5〜2か月前までには担当者に報告しましょう。
育休取得には1か月前までに申請を終了しておく必要があります。
引き継ぎ業務の確認
育休取得に関わる書類の提出とは別に、部署内での業務を引き継ぐ準備をしてください。
- 担当患者への説明
- 担当患者の申し送り
- 担当患者の書類の作成
- カンファレンスや委員会
上記の業務は育休取得の前に済ませるか、抜け漏れが無いように引き継ぎましょう。
事前にマニュアルを作成・更新しておけば、引き継ぎの際の手間も少なくなります。
長期の育休取得をする場合は、あらかじめ余裕を持って準備を進めてください。
育休中の過ごし方|今と未来を見つめ直す時間を持つ


実際に男性PTが育休取得をした場合には、どのような生活になるのでしょうか?
育休中は家事や子育てでバタバタしますが、長期の育休取得では意外とゆとりある時間も確保できます。
普段の業務量では実現できなかった過ごし方もできるので、育休中にやりたいことを考えておきましょう。
育児にフルコミットする
当然ですが育休中は家事・育児にフルコミットするのが大前提!
特に、産院から退院した直後の奥さんは、心身ともに疲れ切っています。



授乳以外の育児&家事はすべてパパの仕事です
これまでに家事をした経験がなくても、精一杯の努力で奥さんの体力を回復させてあげましょう。
スキルアップの時間を作る
育休中の家事・育児を済ませたうえで、余った時間は有効活用してみましょう。
具体的には、所属している都道府県のPT協会が主催するオンライン勉強会への参加がおすすめです。
近年はzoomを活用したオンラインでの勉強会が、たくさん開催されています。
子供の寝かしつけ時間などで、オンライン勉強会への参加が難しい場合はリハノメを活用するのもおすすめです。
リハノメとは?
スマホやPCから視聴できる、オンラインセミナーのサービスです。
PT・OT・STの各分野の専門家が講師となって、毎月12テーマ以上の講義を配信しています。
プラン | リハノメパス1 (1か月見放題) | リハノメパス6 (6か月見放題) | リハノメパス12 (12か月見放題) | リハノメパス24 (24か月見放題) |
---|---|---|---|---|
月額 | 3,080円 | 2,772円 | 2,566円 | 2,181円 |
さらにリハノメには『育休・復職応援制度』があり、育休取得している間の無料サービスがあります。
育休期間+1か月間はリハノメが無料で利用できます。
産休や配偶者の育休期間は対象となりません。
育休中のスキルアップや学び直しに、リハノメは最適の手段になるでしょう。
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長期的なキャリアプランを立てる
家事・育児のスキマ時間でのスキルアップとともに、職場復帰後の働き方も考えましょう。
養成校での勉強・実習・国試対策を経て、新卒で入社してから臨床・勉強会・学会発表・後輩や学生の指導…
これまでPTとしてガムシャラに働いてきた中、本業に縛られない時間はまたとないチャンスです。
- 今の職場でバリバリ働いて出世する
- 仕事とプライベートを両立させる
- 今までとは異なる働き方をする
今までは考える余裕がなかった『今後のキャリアプラン』について一度考えてください。



別の職場や病期での働き方をじっくり考えよう
転職サイトや転職エージェントに登録して、どんな職場があるのか調べてみるのもおすすめです。
▶筆者が利用した転職エージェントはこちらで解説(未作成)
実際に育休を取得した先輩PTの体験談


筆者は2022年の第一子誕生に合わせて4か月間の育休を取得しました。
- 4月上旬に上司へ育休取得を相談
- 9月1日〜12月31日まで休暇
- 9月上旬に第一子が誕生
実際に育休取得をした後は、仕事との向き合い方が大きく変わりました。
気持ちの面や実際の行動の変化など、赤裸々に公開していきます。
育休前の不安と職場の対応
初めて妻の妊娠が判明した際は、育休を取得するつもりは一切ありませんでした。
しかし、偶然にも男性の先輩OTが、約6か月間の育休を取得することが分かりました。



その日はすぐに帰宅して妻と相談!
- 妻のつわりが重い
- 実家の距離が遠い
- 無痛分娩を検討中
これらの悩みを抱えていたため、妻のサポートを優先するためにも育休取得を決めました。
妻が安定期に入った後に、上司へ妊娠の報告とともに育休を検討していることを相談。
すでに先輩OTが育休中だったのですが、上司からは快く了承が得られました。



当時の上司と先輩OTには感謝しかありません
その後は、出産予定日の3〜4か月前から総務・事務の担当者と手続きを進めていきました。
育休中の経験と感じた変化
無事に妻の出産が終わり、筆者の4ヶ月間の育休がスタートしました。
ミルクあげたり、沐浴させたり、慣れない夜泣き対応などバタバタの毎日。
妻と役割分担をして休憩ができたので、無理なく子育てに専念できました。
家族水入らずの時間をたっぷり堪能できたのは、今でも大切な宝物です。
そんな子育ての最中に、これからの働き方をじっくりと考えていました。
- 現状の仕事量で子育てはできるのか?
- 残業や持ち帰りの仕事を減らせるか?
- 通勤前後に保育園の送迎ができるか?
夫婦の将来をたくさん話し合った充実の4ヶ月間になりました。
職場復帰後に変えた働き方
4ヶ月間の育休明けでも、意外なほどスムーズに臨床業務へ戻れました。
書類作成やカルテ記載、20分刻みのスケジュール管理など問題なく仕事ができました。
そして子供が生後7か月になった頃には、職場内の託児所の利用を決めます。



子供の送迎や発熱時の対応など、本業以外にも忙しい環境となります
- 残業は必ず30分以内に収める
- 母校からの長期実習は一時見送り
- 毎年していた学術活動は一旦ストップ
上記のようにPTとしての働き方を見直す良いきっかけとなりました。
筆者の育休取得の体験談については、こちらの記事で詳しく紹介しています。


仕事と育児の両立を目指す男性PTがやるべきこと


近年の制度改定の流れから、男性でも育休が取得しやすくなっています。
しかし、我々PTを取り巻く環境では、男性が育休を取りにくい職場も少なくありません。
- スタッフの人員不足
- 1日18単位以上のノルマ
- カンファレンスや書類作成
通常業務と子育てを両立させるためには、これまでとは働き方を変える必要もあるでしょう。
小さな行動から始めよう
まず、仕事と子育てを両立させるには、本業の時間効率を最大限に高めましょう。
- 雑談しながらのカルテ記載
- 期限ギリギリの書類作成
- 手書きの申し送り業務
ムダな業務を減らして、少しでも残業時間を短くしてください。
仕事の質は落とさずに、育児へ注力できるよう習慣化するのがポイントです。
環境を変える選択肢も視野に
自分の努力だけで対処できない業務については、改善策を同僚や上司と相談しましょう。
スタッフの働き方を改善させる提案なら、きっと意見を汲み取ってくれるはずです。
しかし昔からの慣習が変えられず、いつまで経っても若手や中堅スタッフの仕事が減らない場合も…



仕事量が増えてくると子育てにも手が回らなくなります
その場合は、今の働き方とは異なる別の職場環境を検討するのもおすすめです。
今の職場で変えられない常識も、別の職場では全く異なる環境が広がっている可能性もあります。
実際に転職しなくても、転職活動をするだけで色々な情報が手に入ります。
筆者が転職の際に活用した転職サイトは、こちらの記事で解説しています。
▶PTの転職におすすめなのはPTOTSTワーカー(未作成)
仕事と子育てを両立できるPTへ一歩踏み出そう
世間的には広がっている男性の育休取得ですが、リハビリ部門では十分に広まっていません。
男性PTが育休取得するには、スタッフの人数や上司からの理解など職場内のサポート体制が必須です。
これらの条件を満たした素晴らしい職場は、決して多くはありません。
少しでも今の職場環境に疑問がある場合は、転職活動をしてみるのがおすすめです。



具体的には転職エージェントへ登録して『男性スタッフの育休取得実績』を調べてもらいましょう
特におすすめの転職エージェントはPTOTSTワーカーです。
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上記のほかにも色々なサポートが受けられて、どれだけ利用しても費用は全くかかりません。
過去に筆者が転職をした際にも、求人の案内や面接等の日程調整などのサポートがすべて無料でした。
仕事と子育てを両立できる将来に向かって一歩踏み出しましょう。
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